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アジサイの季節、アジサイを見て思うこと・・・緑育植物療法士の徒然

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アジサイの季節に思うこと

アジサイの季節に思うこと

2025/06/15

アジサイの季節ですね

緑育植物療法士、アジサイの季節の徒然

6月。我が家のお庭は5月から緑一色になるのですが、この時期はアジサイがそっと色を添えてくれます。

その移ろう花色は、静かな時間の流れを感じさせ、自然との対話を思い出させてくれます。

 

まだ緑育植物療法士として駆け出しのころ、とにかくお庭にあるものなんでも使ってみたくて、でもアジサイは有毒だというし・・・・何がどんなふうに有毒なのか気になって調べた過去がありました。

 

現在では「有毒植物」としての定着しているアジサイですが、古くからの薬草としての顔、そして「毒草」としての両方があるんですね。薬と毒は背中合わせといいますから、まさにそんな感じですね。そして、民間信仰に伝わるちいさな祈りも。

 

「甘茶」としてのアジサイ:薬効の伝承

仏教行事で使われる「甘茶(あまちゃ)」は、ヤマアジサイ(Hydrangea serrata)の変種 Hydrangea serrata var. thunbergii の葉を乾燥・発酵させて作られます[^1]。特に灌仏会(花まつり)において、お釈迦様の像に注ぐお茶として知られています。

このアマチャには「フィロズルチン」という甘味成分が含まれ、砂糖の数百倍ともいわれる甘さがあります。とはいえ、これは私たちが普段目にする園芸品種のアジサイとは異なる植物であり、同様に扱うのは危険です。

5年くらい前かな、信州にパーマカルチャーの勉強に通っていた頃、勉強の合間に「アマチャ」が出されて、とても美味しかった思い出があるお茶です。

 

一般的なアジサイに含まれる毒性成分

一般に出回っているセイヨウアジサイやガクアジサイなどの品種には、**青酸配糖体(cyanogenic glycosides)と呼ばれる物質が含まれていることがあります。これらは体内で加水分解されるとシアン化水素(HCN)**を生成し、中毒を引き起こす可能性があるのです[^2]。

● 実際に起きた中毒事例

2008年には、飲食店でアジサイの葉を料理に添えたことで、複数名が嘔吐・めまいなどの中毒症状を訴えたケースが報告されています[^3]。この事件以降、料理や装飾用にアジサイを安易に使用することの危険性が改めて注目されました。

● 成分に関する議論と研究

毒性の要因としては、青酸配糖体のほかにもアルカロイド類やクマリン誘導体の可能性も指摘されており[^3]、品種や栽培環境による含有量の違いにも注意が必要です。2023年には高校生による研究で、アジサイ葉からのシアン化水素の発生が確認された例もあります[^4]。

つまり、薬効や毒性に関してはまだ定説がなく、安全性の裏付けが不十分なまま“自然派”として利用することは大変リスクが高いのです。

 

自然に向き合うときに大切な姿勢

緑育植物療法士の授業時にいつもお伝えしていることですが、自分の中に湧いてくる探求心や五感で感じ取る植物からのメッセージはとても大切。

でも植物の「美」や「癒し」の裏には、科学的な裏付けと慎重な姿勢が求められます。

特に「毒草」として定着しているものは、容易には使わないように・・・でも何がどんなふうに危険なのかはきちんと調べるようにしましょう

「あれは毒草」で終わるのは一般の人で、何がどんなふうに危険なのかまで落とし込むのが「緑育植物療法士」です。

 

植物の力を借りるという行為は、古代から続く人類の知恵であると同時に、深い敬意と注意が必要な営みです。アジサイという身近な植物が、そのことを改めて教えてくれる気がします。

 

私が毎年楽しんでいるアジサイのおまじないがあります。

アジサイの健康祈願・金運アップのおまじないです。

 

「6日・16日・26日」といった「6の付く日」にアジサイをトイレに飾ることで、婦人病除け・魔除け・金運上昇などのご利益があるとされる風習が、一部の地域や神社に残っています。

母親が毎年しているおまじないで、私も母をまねてするようになりました。

 

● やり方(代表的な例)

アジサイの花を一輪用意する(生花、またはドライフラワーでも可)

半紙に自分の氏名・生年月日を書いて包む

紅白の水引で結び、トイレの目線より高い場所に吊るす

6の付く日に行い、そのまま1年間飾る

 

この風習は、兵庫県たつの市の「若狭野天満神社」(通称:あじさい神社)でも実践されており、境内では「厄除けあじさい守り」も授与されています。科学的な根拠はありませんが、静かに咲くアジサイの佇まいには、心を整える力があるように感じます。

 

明日16日!

明日しようかな。

 

 

参考文献

[^1]: 厚生労働省「自然毒のリスクプロファイル:アジサイ」より、「アマチャ」は Hydrangea serrata var. thunbergii 由来であるとされる。
[^2]: 青酸配糖体は体内でシアン化水素を生成することで毒性を示す(J-STAGE掲載論文より)
[^3]: 2008年 飲食店での中毒事例(厚生労働省報告)では、毒性成分の特定には至っておらず、アルカロイド・クマリン誘導体の可能性が示唆された。
[^4]: 2023年高校生研究「アジサイの毒性に関する一考察(日本農芸化学会)」より。
[^5]: 紫陽花のおまじないの由来(micane.jp・若狭野天満神社資料)

 

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